貸し倉庫などの賃貸物件を借りていると、オーナー様のご都合や再開発などによって立ち退きを勧告される場合があります。
このような場合、借り手が契約違反などの瑕疵がなく、貸し手(オーナー)の都合である場合は、立ち退きする代わりに立ち退き料を請求することができます。
本記事では、万が一、立ち退きしなくてはいけなくなった場合に備えて、貸し倉庫の立ち退き料の目安と、立ち退き料の交渉のポイントを解説していきます。
貸し倉庫の立ち退き料の目安は?
貸し倉庫を所有していても何らかの事情により立ち退きを命じられることもあります。
貸し倉庫の立ち退きを命じられたなら、立ち退き料が発生しますが、どのくらいの金額になるのか目安を知りたいはずです。
貸し倉庫の立ち退きは賃借人に生じる経済的損失額を調整して決定します。
そのため、貸し倉庫の使用により発生する利益に応じて立ち退き料の計算は各々により違います。
貸し倉庫の立ち退き料の1つは話し合いによって決まります。
計算方法は何でも良く明確に基準が示されているわけではありません。
例えば、双方が納得するなら数ヶ月分の賃貸料が立ち退き料として決められても問題ありません。
しかし、裁判所を利用しては立ち退き料を決定するなら、立ち退きによって生じる賃借人(借り手)の損失で決定することが多いです。
貸し倉庫を利用して利益が発生していたなら、その利益を守ることが必要です。
新たに貸し倉庫を探すのに時間がかかり、その分利益が減少してしまうなら、減少する金額を立ち退き料として支払うこと目安です。
貸し倉庫の立ち退きで50万円ほどの損失が出るなら50万円、70万円の損失なら70万円が立ち退き料としての目安です。裁判所は賃借人の生活を保護することを重視しているので、生活がしっかり維持される金額となっているのかを判断します。
また、貸し倉庫の立ち退きを行うときには、建物の敷地の価格の何%を支払うということもありません。立ち退き料を支払うときに、例えば「土地の借家権価格があるから立ち退き料は価格の30%を支払う」ということを要求する人もいるかもしれません。しかし、裁判所でその主張は認められていないので、借家権価格は目安とはならないことを双方ともに覚えておきましょう。
貸し倉庫の立ち退き料は、明確な基準は無く、双方の話し合いによって決まることが多い。
裁判所を利用して立ち退き料を決定する場合は、立ち退きによって生じる賃借人(借り手)の損失から逆算して立ち退き料を算出されることが多い。
立ち退き料交渉のポイント
貸し倉庫の立ち退き料は言い値を受けるのではなく、交渉するのが重要です。
なぜなら、賃貸人(オーナー/貸し手)側は「できるだけ安く済ませたい」賃借人(借り手)側は「できるだけ多くもらいたい」という意向があるので、立ち退きが決まらないことがあります。
立ち退き料の交渉を行うときは「立ち退き料だけではないこと」に着目するのがポイントです。貸し倉庫を賃借に貸したときに、例えば、敷金・保証金を支払っているならその金額分の返還を交渉に入れることができます。 また立ち退き料の支払い時期を交渉材料に入れることで、お互いが無理なく立ち退き費用を受け取ること、支払いただくことを交渉することもできるでしょう。
また、満足する立ち退き料を請求が難しい場合は、賃貸人(オーナー/貸し手)側で貸し倉庫の移転先候補をリストアップさせる、移転費用を、賃貸人(オーナー/貸し手)側で負担頂けないか提案を行うことも交渉のポイントです。
立ち退き料の交渉のポイントはいろいろありますが、あまりに高い立ち退き料を請求していると交渉が決裂し、裁判沙汰になる場合もあります。
裁判になると、弁護士費用等が発生するだけでなく、裁判関係で時間も取られるなど消耗もします。
上記のような交渉を行いながら、なるべく双方の合意できる条件を探りましょう。
立ち退き料の交渉のポイントは「立ち退き料だけを交渉しない」こと
・敷金・保証金の返還、償還率の交渉
・退去・移転費用の負担依頼
なども合わせて交渉することで立ち退きの条件がよりよくなる場合も。
まとめ
貸し倉庫の立ち退き料について内容を紹介してきました。
貸し倉庫の立ち退き料は主に交渉によって金額が決まり、賃借人(借り手)の経済的損失を保証する金額であるべきです。そのため、状況によって立ち退き料の金額は異なってくるでしょう。
貸し倉庫の立ち退き料を決定するためには交渉のポイントも大事であり、お互いが納得する金額とする必要があります。交渉のポイントは「敷金・保証金の返還、償還率の交渉」「退去・移転費用の負担依頼」など、いろいろあります。
立ち退きにより、経済的損失をなるべく被らないように、立ち退き料や立ち退き条件の交渉は行うようにしましょう。