新型コロナウイルス感染拡大が続いています。
感染予防対策として3密(密閉、密集、密接)を避けるようにいわれていますが、比較的密閉空間になりやすい物流倉庫ではこのコロナ禍でどのような状態になり、どのような対策を行っているのか、具体的な事例を紹介しつつ、解説していきます。
【倉庫は3密?】物流倉庫の事例を解説
新型コロナウイルス感染拡大の対策として3密(密閉、密集、密接)を避けることが推奨されていますが、物流倉庫ではその3密状態の危険性が常につきまとってしまいます。
「週刊FLASH」の記事によれば、某大手ネットショップの物流センターは「超3密」状態が続いているということです。
記事によると、千葉県流山市の巨大物流拠点が3密状態になっているといいます。
まず物流拠点内で従業員の出欠確認をする際に待機列で密集状態となっていて、その状態で20分も待機させられているという内容がありました。
建物内はさらに3密状態となっていて、消毒用のアルコールも少なく、体温管理も個人任せとなっている状態と報道されています。昼食を取るための休憩室も混雑していて対策が不十分といった内容でした。
また、「NHK政治マガジン」の記事では、愛知県内の物流倉庫で3密になっているということが紹介されていました。新型コロナウイルスの影響で外出の自粛が呼びかけられたことで物流倉庫は以前にも増して忙しくなり、その作業環境も以前よりも3密になっているという内容です。
具体的には、人が家で過ごす時間が増えたことで日用品などの扱いが増えて、そのような需要に対応するために作業員が増えたことで、密集した状態で作業せざるを得ない状況だということです。取材に応じたパート女性の話では、作業している人の間隔は1メートル程度で腕がぶつかるくらいの近さで作業しているということでした。
参考サイト:
派遣バイトが告発する「物流センターは超3密!」(週刊FLASH)
“職場が以前にも増して3密に” 物流倉庫からの声(NHK政治マガジン)
3密を避ける対策
国は、緊急事態宣言が出たり、感染拡大が続く中で、事業を継続せざるを得ない企業に対して、3密を避けるための対策を実施することを要請しています。
3密を避ける対策として、
- 1時間に2回以上の頻度で窓を全開にすること
- 換気を徹底すること
- 空気の流れを作るために、複数の窓がある場合は二方向の窓を解放すること
- 複数の人が同じ物に触れることをできるだけ避ける
- 手で触れざるを得ない箇所を消毒することで接触感染を防ぐこと
などが挙げられます。
その他にも、
- 人との距離を1メートル以上開けて、人を密集させない環境づくりの整備
- 空間内の定員をいつもより少なめにして、入退場に時間差を設けること
- 声を出す場合は、大きな発声をさせない環境づくり
- 声を出す場合は、2メートル以上あけて飛沫感染を防ぐこと
なども重要とされています。
感染症の拡大を防ぐ対策は、下記の記事にもまとめていますので、ご参照下さい。
【倉庫業者向け】コロナ対策、何をすれば良い?【ガイドライン解説】
まとめ
新型コロナウイルスの感染拡大による自粛と並行して、物流倉庫の重要性も高まっています。
その一方で3密状態が作り出されて従業員へのリスクが高まっているという事実も浮き彫りとなってきています。物流倉庫でクラスターが発生して機能が麻痺してしまう前に、3密を避ける対策を徹底的に周知し、確実に実行していく必要があると言えます。
また、物流倉庫では、感染者が出た時の対応やルールを明確にしておくことも大切です。
感染してしまった従業員が不利益な扱いを受けたりしないことも、確実に準備されなければならない企業の重要な責務と言えるでしょう。