建物の用途変更には、たくさんの書類が必要になるので書類を揃えるだけでも苦労しますよね。
そこで今回は、用途変更時に検査済証がない場合にどうやって書類を揃えたら良いのかをカンタンに解説していきます。
検査済証がない場合でも用途変更できるケース
検査済証を発行しているということは、建物の工事が問題なく完了している証明になります。
しかし、検査済証を発行していない、もしくは紛失してしまった場合に建物を所有している人は、たとえ完了検査を受けていても違反建築物を所有している扱いになってしまうのです。
そんな時は、検査済証を再取得するのが得策です。
国土交通省が定めた「検査済証のない建築物に係る指定確認検査機関を活用した建築基準法適合調査のためのガイドライン」によれば、調査や報告を行うことで確認申請ができる場合があります。
これなら建物を増築するといった用途変更を行う場合でも、工事が修了した後に検査済証を再取得することができます。
また、法適合状況調査も忘れてはいけません。
これは当時の法律に適合しているかどうかを確認するためのもので、検査済証がない建物の様々な調査を行います。
確認済証・検査済証とは
では、そもそも確認済証や検査済証とは何の証明となるものかをカンタンに解説しておきます。
確認済証とは、建物の着工を行う前に建築基準法に違反していないか確認した上で行政機関などから発行される書類です。
工事を始める前に違反していないか建築確認申請を行うことにより、設計段階で違反している箇所がなければ安心して着工できます。
検査済証とは、建築基準法に基づき「建築確認」「中間検査」「完了検査」の3種類全てに合格し、その上で図面通りに建物が完成していれば行政機関などから発行される書類です。
つまり、確認済証はこれから建物の工事を行うのに問題がないと証明できる書類であり、検査済証は確認済証による建物の図面通りに建築されたということを証明するための書類です。
建築物の着工前に「建築基準法」に違反していないと行政から発行される書類
建築基準法に基づき「建築確認」「中間検査」「完了検査」の3種類全てに合格した建築物であると証明する行政から発行される書類
検査済証の再取得
もしも何らかの理由によって検査済証を紛失してしまった場合、再発行ではなく検査済証の再取得を行うのが得策です。
この場合、完了検査に合格しているかどうかで取得方法が変わります。
まず、完了検査に合格して検査済証を発行してもらったけど紛失してしまった場合、検査済証の代わりになる書類を取得することで解決できます。
しかし、完了検査に合格しておらず、検査済証も発行してもらえていない場合は基本的に再発行ができません。
ですが、再取得ができる可能性があります。
検査済証を再取得するには、増築大規模修繕などを行った後に完了検査に合格する必要性があります。
その後、法適合状況調査により、本人が所有している「台帳記載事項証明書」などの書類を用意していることが条件です。
台帳記載事項証明書とは
確認済証と検査済証交付の情報が記録されている証明書です。
都道府県によって異なるかもしれませんが、大阪府にある建築物であれば「台帳記載事項証明書の発行」の申請を行うことができます。
建築物台帳等記載事項証明申請 | 大阪府
検査済証がない場合の相談先
検査済証がない場合、自分の力だけで解決するのは難しいでしょう。
この場合、検査済証の再取得を視野に入れるのであれば、一級建築士のいる設計事務所に相談するのがおすすめです。
検査済証がない場合は用途変更や確認申請、法適合状況調査など新たな手順が増えてきます。
一級建築士がいる設計事務所であれば、素人では理解しにくい用途変更や法適合状況調査など様々な手続きを代行してくれます。
信頼できる設計事務所を探して依頼してみましょう。