本記事では、倉庫管理主任者とは何かを解説しています。
倉庫管理主任者は倉庫業を営む際には必ず把握すべき役職なので、しっかりと理解しておくようにしましょう。
また、倉庫管理主任者のなり方や必要条件も解説しています。
倉庫業に従事している従業員の方や、倉庫業に転職したい方、就職する予定の方もぜひ把握しておきましょう。
目次
倉庫管理主任者とは?
倉庫管理主任者は、倉庫業法の改正(平成14年4月1日施行)に伴い、設けられた資格です。
倉庫管理責任者は「倉庫業法第十一条」で、主に以下のように定められています。
倉庫業者は倉庫ごとに管理すべき倉庫をその規模などの基準に従って、倉庫の管理に必要な知識や能力を持つものとする倉庫管理主任者を選任しなければならない。また倉庫での火災の防止や倉庫の管理を行わせなければならない。
出典)倉庫業法第十一条
倉庫業を営むためには、倉庫業法に基づく登録を受けること以外に、倉庫管理主任者を選任し、国土交通省令の定める倉庫管理に関する業務を任せる義務が生じます。
倉庫業が生産者と消費者を結びつける産業であり、生活のインフラとして公共性が高いため、このように定められています。
登録制度と、倉庫管理主任者を選任することを定めることで、倉庫業を適切に運営し円滑な流通の実現につながっています。
この倉庫管理主任者は、倉庫業に携わっていて、まだ実務経験2〜3年未満の人におすすめの資格です。倉庫管理主任者の資格を取る難易度は大変易しく、必置資格ということもあり、倉庫会社で働いている方は取得しておいて、損しない資格です。
通常は実務経験によって選任条件を満たす必要がありますが、国土交通大臣が定める倉庫管理に関する講習を終了していれば、経験に関わらず選任されることができるようになります。
また、資格として履歴書にも記載できるので、転職などにも有利になる資格でもあります。
履歴書に資格名を書く際は、
「和暦(例、令和)◯年◯月◯日 倉庫管理主任者 取得」
と記載します。
倉庫管理責任者の業務
倉庫業法で倉庫管理主任者の業務内容が定められています。
倉庫管理主任者は主に、以下の業務に関するマニュアル作り、実施状況の監督を行います。
- 倉庫における火災の防止、その他倉庫の施設の管理に関すること
- 労働災害の防止に関すること
- 現場作業員の研修に関すること
- 倉庫管理業務の適正な運営の確保に関すること
倉庫における火災の防止、その他倉庫の施設の管理に関すること
倉庫として使っている施設•建物が火災•事故などの被害が出ないようにメンテナンスを行います。
主に倉庫のハード面の管理業務が当てはまります。
労働災害の防止に関すること
倉庫業に従事している作業員の労働災害を防ぐための業務です。
現場作業員の研修に関すること
倉庫業務を効率よく進めるため、現場の従業員に対する研修を企画して実践します。
倉庫管理業務の適正な運営の確保に関すること
倉庫内で適切に物品を保管したり、荷役業務の管理をします。
主に倉庫のソフト面の管理業務が当てはまります。
倉庫管理主任者になるための条件
倉庫業者が倉庫管理主任者を選びます。
倉庫管理主任者を選ぶ際、「講習を受けて認定」「一定以上の実務経験あり」の2つの条件のどちらかを満たした人を選ぶ必要があります。
「講習を受けて認定」
倉庫管理主任者になるための講習は、実務経験がない人でも受講できます。
通常の資格と違い、試験はありません。
講習を受講し、修了したら選定基準を満たします。
そのため、経験を積んでいない人が多い人手が足りていない企業におすすめです。
また倉庫管理主任者講習はあくまで、選任要件を満たすことが目的なので、実務経験で要件を満たしているのであれば受講しなくても大丈夫です。
「実務経験があること」
倉庫業法施行規則によると、倉庫管理主任者は一定基準以上の実務経験を必要としています。
この実務経験の条件は以下の2つ。
- 指導•監督役として、2年以上の実務経験があること
- 倉庫管理業務に関して、3年以上実務経験があること
上記いずれかを満たしていれば、倉庫管理主任者として選ばれる資格を持ちます。
まとめ
倉庫管理主任者とは何かを解説しました。
倉庫管理主任者とは、倉庫業を営む際に必ず設置しなくてはいけない役職です。
倉庫管理主任者の業務内容は主に、以下の業務に関するマニュアル作り、実施状況の監督を行います。
- 倉庫における火災の防止、その他倉庫の施設の管理に関すること
- 労働災害の防止に関すること
- 現場作業員の研修に関すること
- 倉庫管理業務の適正な運営の確保に関すること
また倉庫管理主任者に選ばれる際には
- 講習を受けて認定
- 実務経験があること
いずれかの要件を満たす必要があります。
倉庫管理主任者は倉庫業を営む際には必ず設置しなくては行けない役職なのでしっかりと理解しておくようにしましょう。