倉庫は、熱がこもりやすい構造であることが多く、真夏には外気温に比べて、かなり高温になる場合があり、作業員が熱中症になってしまう事例も発生しています。
本記事では、倉庫の「暑さ対策」5選として、具体的な倉庫の暑さ対策を5つ紹介していきます。
快適な倉庫環境をつくり、従業員満足度の高く、生産性の高い作業環境を構築しましょう。
目次
夏場の倉庫は◯◯℃以上?
空調設備がない場合、倉庫内の気温は40〜45℃になるといわれています。
更に、倉庫内は風通しが悪い場合も多く、夜になっても建物の金属部分や倉庫内に熱がこもっている場合があります。このような高温環境下は、健康に過ごせる気温ではなく、作業効率も低下するだけでなく、不注意やミス、事故の原因にもなり得ます。
総務省消防庁の発表によると、2019年の夏季に熱中症による救急搬送された人数は71,317 人でした。
(出典:2019 年(5月から9月)の熱中症による救急搬送状況-総務省)
また、倉庫内の気温が高温であり続けると、作業員の人的な被害だけでなく、保管している荷物などが熱により劣化、故障する恐れもあります。
このように、倉庫の暑さ対策を講じることは今や、倉庫業者にとって必要不可欠となっています。
具体的に倉庫の暑さ対策とは、どのような施策を行えばよいのでしょうか。
倉庫の「暑さ対策」5選
倉庫の「暑さ対策」は以下の5つです。
【倉庫の暑さ対策】
その①・・・屋根に水をまくスプリンクラーを設置し気化熱で冷却する
その②・・・遮熱シートを屋根に貼る
その③・・・空調服、冷却ベストを導入する
その④・・・エアコン、冷風機を導入する
その⑤・・・「テント倉庫」に構造変更する
順に解説していきます。
屋根にスプリンクラーを設置する | 倉庫の暑さ対策【その①】
倉庫の暑さ対策として、「屋根にスプリンクラーを設置する」という方法があります。
屋根に水をまくスプリンクラーを設置することにより、その気化熱を利用して温度を下げる、という仕組みです。
具体的な商品例として、以下のような商品があります。
「屋根クール」(株式会社カーネル 様)
「屋根散水システム」(株式会社イーエス・ウォーターネット 様)
遮熱シートを屋根に貼る | 倉庫の暑さ対策【その②】
屋根に遮熱シートを貼るという暑さ対策方法もあります。
屋根部分を遮熱シートで覆うことにより、建物内部への熱の侵入を防ぎ、室内温度が高くなることを防ぐことが出来ます。
遮熱シートと同様に、遮熱塗料を屋根に散布するという方法もあります。
遮熱シートの具体的な商品例として、以下のような商品があります。
「サーモバリア」(株式会社ライフテック 様)
「アルミ遮熱シート あーつナイ®2」(菊池シート工業株式会社 様)
「リフレクト防炎シリーズ(防炎遮熱シート)」(菊池シート工業株式会社 様)
空調服、冷却ベストを導入する | 倉庫の暑さ対策【その③】
暑さ対策として空調服や冷却ベストを導入するという方法もあります。
空調服は、服に小型ファンがついており、外気を服の中に取り入れ、体の表面に流すことにより、汗を気化させ体温の上昇を防ぎます。
冷却ベストの具体的な冷却方法は製品ごとに異なっていますが、ベスト内に冷水を循環させて冷却したり、保冷剤を装着するなどし、体温の上昇を防ぎます。
空調服や、冷却ベストは、エアコンなどに比べ、使用するエネルギー量も少なく、環境に優しく、利用ができます。また野外での作業など、エアコンが使えないような環境でも導入できるのがメリットです。
空調服や、冷却ベストともにAmazon、楽天などのネット通販での購入が可能です。
Amazon:空調服
楽天市場:空調服
Amazon:冷却ベスト
楽天市場:冷却ベスト
エアコン、冷風機を導入する | 倉庫の暑さ対策【その④】
一般的では有りますが、エアコンや冷風機を導入するのも暑さ対策として有効です。
ですが、倉庫は、日射熱による屋根からの熱で温まりやすく、一般的なエアコンや冷風機のみでは暑さ対策として不十分な場合があります。前述した「スプリンクラー」「遮熱シート」などを利用した上でエアコン、冷風機を導入するのが良いでしょう。
また、エアコン、冷風機共に家庭用のものではなく、業務用が望ましいでしょう。
エアコンの場合は、設置する倉庫の大きさなどから適した大きさ、台数を導入するようにしましょう。
冷風機は、以下のような商品があります。
【冷風機】
「PORTACOOL」(株式会社ポート・ア・クール・ジャパン 様)
「COOLSPACE」(クールスペース ジャパン 様)
「テント倉庫」に構造変更する | 倉庫の暑さ対策【その⑤】
5つ目の倉庫の暑さ対策は「テント倉庫」に構造変更をすることです。
テント倉庫は、保冷、保温倉庫にも活用されています。
金属やスレートなどの一般的な倉庫で用いられる素材に比べ、テント倉庫で用いる「テント膜」は、日射反射率が高く、金属やスレートなどと比べ、温度が上がりにくい特徴があります。
倉庫の熱は、屋根、天井からの日射によるものが大きいので、屋根素材が「膜」であるテント倉庫であるほうが暑さは軽減されます。
ただし、既存倉庫の構造などによっては、ほぼ建て替えになる場合もあり、費用が高くなる可能性があります。
予算との相談もしつつ、余裕があれば、テント倉庫への建て替えも検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ
倉庫の暑さ対策を5つ紹介してきました。
【倉庫の暑さ対策】
その①・・・屋根に水をまくスプリンクラーを設置し気化熱で冷却する
その②・・・遮熱シートを屋根に貼る
その③・・・空調服、冷却ベストを導入する
その④・・・エアコン、冷風機を導入する
その⑤・・・「テント倉庫」に構造変更する
倉庫内は、熱がこもりやすく、真夏の倉庫内の室温は40〜45℃にもなるといわれています。
高温状態が続くと従業員の体調不良や、保管物の品質の毀損につながるだけでなく、披露による判断力の低下による事故、トラブルの原因にもなり得ます。
暑さ対策には、多少なり費用はかかりますが、費用を気にして対策を怠っていると、トラブルが発生し、更に多額の費用が必要になるかもしれません。
真夏になる前に、今からできる暑さ対策を始めていきましょう。