荷物や製品に虫が紛れていると、クレームにつながったり、製品の品質を下げてしまう恐れがあります。
本記事では、倉庫や工場での防虫対策をまとめました。
大切な荷物、製品を守るためにも防虫対策を行っていきましょう。
目次
防虫対策2つのパターン
倉庫や工場での害虫被害には外部から侵入する場合と、倉庫、工場内部で害虫が発生する場合があるので、それぞれを分けて考えていきましょう。
まずは「外部から害虫が侵入する場合」の対策についてあげていきます。
外部から害虫の侵入を防ぐ
侵入してくる害虫は地面を這って侵入してくる「徘徊性昆虫」や飛んで侵入してくる「飛翔性昆虫」など様々で、それぞれに対策が必要になってきます。
その①・・・殺虫剤処理をする
まずは侵入していくる虫そのものへの対処として殺虫剤処理が挙げられます。倉庫や工場の周辺の緑地帯などへ、殺虫剤を使用することで発生源に直接対策をする方法です。しかし害虫は人の手の届かない所に生息しているので十分とは言えず、また人体や製品への影響も懸念されるという欠点もあります。
その②・・・ライトによる防虫対策
ライトによる防虫対策も有効です。誘引灯を設置することで、光で虫を誘い捕獲したり感電させて数を減少させます。また、虫の好む紫外線をカットしたライトを使用することで、虫を寄せつけなくすることが可能です。2種類のライトを使い分けることで対策できます。
その③・・・隙間をなくす
隙間から物理的に虫が入ってこないよう遮断することも重要です。虫の侵入経路となる扉やシャッターなどに隙間があれば塞ぐ必要があります。対策の一つとして防虫ブラシがあり、設置負担が低いにもかかわらず、ある程度の効果が見込めます。ブラシに殺虫剤が含まれたタイプもあります。
その④・・・ビニールカーテンを設置する
搬入口や出入口など頻繁に開閉される場所への対策として、ビニールカーテンを設置するというのも一つの方法になります。ビニールカーテンには片開きで密封性が高いものや、頻繁に出入りするときに便利な両開きのものがあります。特別な防虫機能を持つビニールカーテンもあり、虫を集めやすい波長の光をカットした素材もあります。
その⑤・・・エアーカーテンを設置する
また、エアーカーテンを設置するのも一つの方法です。エアーカーテンは特に飛翔性昆虫の侵入対策になります。空気のカーテンなので、ビニールカーテンのように出入りの際に隙間が生じることはありませんが、風の強さや向きを正確に調整する必要があります。
内部で虫が発生していた場合
内部で虫が発生している場合は、世代交代を繰り返すなどの危険があるので、外部から侵入してくる場合よりも注意が必要です。早期に発生源を突き止めて対処をしないと、爆発的に増える可能性があります。内部での場合には局所的に発生する傾向があるので、発生源の特定は外部に比べてしやすいです。
湿気が原因の害虫と対策
湿潤なエリアではチョウバエやノミバエが発生しやすいです。排水溝やピットに付着した汚泥などがエサとなり繁殖します。腐敗したネズミやゴキブリの死骸もエサになります。つまり害虫のエサになるものを減らすことで発生を抑えることができます。トイレや浄化槽の辺りに発生しやすいので定期的な点検・清掃が有効です。
また、湿気などにより発生したカビを除去せずに放っておくとヒメマキムシなど食菌性の虫が大量発生する恐れがあります。ヒメマキムシなどはカビの生えたパレットやダンボールの下で発生することが多く、やはり発生源の特定と清掃が有効になります。
乾燥が原因の害虫と対策
また乾燥したエリアではノシメマダラメイガなど乾燥食品害虫が発生しやすいです。パン工場など粉を扱う場所で発生が確認されやすく、穀類貯蔵庫などが温床になってしまいます。一度発生してしまうと対処が困難なので、フェロモントラップなどで早期発見に努め、普段から清潔に保つことが有効です。
まとめ
倉庫や工場での害虫対策を見てきました。
外部からの害虫の侵入には、薬剤や誘引灯・防虫灯により建物周辺の害虫の数そのものを減らすことが一つの対策になり、さらに隙間から入ってこないようビニールカーテン、エアーカーテン、防虫ブラシを設置することが重要です。
内部で発生した害虫は発生源の素早い特定と対策、徹底的な清掃を行うことが有効となります。
倉庫や工場での害虫対策は、外部からと内部からの両方でのアプローチが不可欠です。倉庫や工場で扱う商品によっても、発生する害虫は異なるので、扱う商品と害虫の関連性を調べ、必要な対策を講じることが重要です。
害虫の侵入、発生がかなり進んでいる、害虫対策をしたが効果が実感できない場合などは、専門の業者に相談することをおすすめします。