倉庫内の湿度が高くなると、ジメジメとした不快感があるだけでなく、結露やカビなどの原因になり、保管物の品質に影響を及ぼしてしまう、従業員の健康被害の原因になってしまう恐れがあります。
本記事では、梅雨時期の倉庫の湿度対策として5つ具体的な方法をあげています。
倉庫内の湿度に悩まれている方は是非ご参考ください。
目次
倉庫には湿気が溜まりやすい?
一般的な建物に比べ、倉庫には以下のような特徴があります。
1.間仕切りが少ない
・・・一区画の面積が広く、空調が効きにくくなる
2.天井が高く、空調効率が悪くなりやすい
・・・建物内の高さがあるので、上記同様、空調が効きにくくなる
3.窓が少ない
・・・空気の出入り口である窓が少なく、換気効率が悪い
4.壁や床がコンクリートで出来ている
・・・コンクリートには「水分を取り込む」性質が有り、室内の湿度もジメジメと高くなる。
上記のような性質を持つ倉庫は、構造的に空気が循環しにくく、湿気が溜まりやすいという特徴があります。
湿度が高い状態が続くと、保存物にカビが生えてしまったり、従業員の健康被害が起こるなど様々な問題の原因になる恐れがあります。
では、湿気対策はどのように行えばよいのでしょうか。
倉庫の「湿気対策」
倉庫の湿気対策として以下の5つがあります。
◎倉庫の5つの湿気対策◎
その①・・・窓を開け換気を心がける
その②・・・ストレッチフィルムで保管物を覆う
その③・・・除湿剤を設置する
その④・・・シーリングファンの設置
その⑤・・・テント倉庫に構造変更する
順に解説していきます。
窓を開け換気を心がける|倉庫の湿気対策①
なるべく窓を開け、換気するように心がけましょう。
換気をする際は、窓やドアを2カ所以上開けて、空気の通り道を作ることが大切です。
倉庫はその構造によって空気がこもりやすいので気密性が高く、空気が流れにくくなります。よってまめに換気を心がけることが大事です。
ストレッチフィルムで保管物を覆う|倉庫の湿気対策②
荷物全体パレットごとストレッチフィルムで覆い、フィルムと荷物のすきまに産業用除湿剤を封入することにより、保管物を湿度から守れます。
ダンボールなど、湿度に弱い保管物を保存する際や、湿度から守りたい保管物とそうでない保管物が明確に別れている場合などに有効的です。
除湿剤を設置する|倉庫の湿気対策③
除湿剤を設置し、湿度を取り除きましょう。
とはいっても、倉庫内は空間面積が広く、家庭用の除湿剤では除湿しきれませんので、業務用の大容量の除湿剤を導入するようにしましょう。
また、電気駆動型の「除湿機」もありますので、大型倉庫で湿度に悩まれているかたは導入を検討してみてもよいでしょう。
シーリングファンの設置|倉庫の湿気対策④
「シーリングファン」を設置することで湿度を抑えることが出来ます。
シーリングファンとは、天井に取り付ける大型の扇風機のことです。機種やメーカーにもよって異なりますが、大きいものでは羽根の直径が7mほどになるものもあります。
この大きな羽が、ゆっくりと回転し、空気を循環させます。
シーリングファンは静音性に優れているだけでなく、風量は一般的な扇風機の50台分にもなるだけでなく、使用する電気量も家庭用ドライヤー1台分ほどと省エネルギーです。
また空気を循環するので、湿気以外にも倉庫のモヤッとしがちな熱気の循環も期待できます。
テント倉庫に構造変更する|倉庫の湿気対策⑤
倉庫の湿度対策として、テント倉庫の構造変更するのもおすすめです。
構造上、一般的な倉庫は湿度が溜まりやすい構造になっています。
テント倉庫の場合は、湿度が高くなっても壁や屋根にサビが発生しにくく、湿気による建物への腐敗リスクが軽減します。
ただ、膜材が薄いため、結露しやすいというデメリットもありますが、こちらもシーリングファンを導入し空気を循環することでカバー出来ます。
さらに一般的な倉庫と比べ、熱も溜まりづらいので湿気だけでなく暑さ対策にも繋がります。
まとめ
倉庫の湿気が高くなってしまう3つの要因と、倉庫の5つの湿気対策をまとめました。
倉庫内の湿度が高くなると、結露やカビなどが発生する、保管物の品質に影響を及ぼす、従業員への健康被害、屋根などの鉄部が錆びるなど様々なリスクの原因になりえます。
たかが湿度とあなどらず、事業活動を継続するためにも、しっかりと湿度対策を行っていきましょう。