契約事にトラブルはつきものですが、貸し倉庫を借りる際も同様です。
ここでは実際にあった貸し倉庫のトラブルと対策をご紹介します。
実際にあった貸し倉庫のトラブル3選
老朽化による雨漏り被害
トラブルで最も多いのが、物件の老朽化による雨漏り被害です。
貸し倉庫は建設してから築年数が経過している場合が多く、長い間雨風にさらされた建物は錆などが多く発生し、老朽化によって雨漏りが発生するケースがあります。
・精密機械
・木製品・紙製品(水に弱いもの)
・金属製品(錆びるもの)
物品にもよりますが、上記を保管している場合は、雨漏りによって使用・販売が不可能になってしまう恐れがあるでしょう。
このようなケースでは保険が適用されないと損失が大きくなります。老朽化が進んでいる倉庫に商品を置く場合は、必ず保険の適用条件を確認しておきましょう。
被害によって製品の納入が遅れてしまうことで、一時的に顧客へ迷惑を掛けるだけでなく信用も落ちてしまい、その後の取引に影響が出てしまうというケースも起こっています。
また、雨漏り被害は建物が原因のため、多くの場合で貸主側へ損害の請求をすることになりますが、貸主によってはその支払いを渋り、問題解決までの期間が長期化してしまうケースも散見されます。
老朽化が進んでいる場合は、部分的な修理では意味をなさない場合もあるので、貸主が修理を行ってくれる場合は、どの程度の修理を行ってくれるのか、契約の際に確認しておく必要があります。
契約満了に伴う更新の打ち切り
ほとんどの契約は数年におよび、契約期間満了になると契約更新を行う運びとなりますが、貸主側の都合で契約更新を行わないというケースがあります。
借りている立場上、貸主の都合は考慮しなければなりませんが、不親切な貸主の場合、契約満了ギリギリで更新しない旨の通知をする方もおられるでしょう。
その場合、借主は次の貸し倉庫を借りる必要がありますが、急に探しても適切な倉庫は見つからない場合が多いため、製品の保管先に苦慮してしまったというトラブルが起こっています。
契約違反による契約解除
契約時には細かな決め事を契約書に盛り込みますが、その契約を違反してしまい、突然契約解除されてしまうというケースがあります。
契約違反の多くは、契約書で定めた用途以外の使用を行ったときや、騒音などによる近隣住民とのトラブルなどです。
契約違反の場合は、貸主の判断によって契約解除を実行できる権限がありますので、その場合は借主は次の貸し倉庫探しに奔走しなければいけません。
トラブルを回避するために必要なこと
■雨漏り – 築年数、老朽化具合、契約書
■更新打ち切り – 契約書
■契約違反 – 契約前にきちんと確認・把握
これらのトラブルを回避するためには、契約前の物件の事前確認や契約書のきめ細やかなチェック、また契約の履行が欠かせません。
雨漏りについては、物件の築年数はもちろん、建物の老朽化具合をきちんと把握しておくこと。
また雨漏りが起こった時の対応についてきちんと契約書に反映させることが大切です。
契約満了に伴う更新打ち切りについては、契約打ち切り自体を止める権利はありませんが、そのような事象が発生する場合は例えば半年前までに借主に通知する、などの文言を契約書に盛り込むことで、影響を最小限に抑えられるでしょう。
契約違反については、契約の履行はもちろん、どのような使い方をするかを契約前にきちんと確認・把握し、それに合った契約内容にすることが大切です。
貸し倉庫のトラブルは、契約前の行動によって未然に防止することが可能です。
貸し倉庫を使用するときのイメージをしっかり持ち、できる限り契約書に盛り込むことで予定外のトラブルを減らすことが大切です。